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日本HP、最新Opteronを2基搭載する水冷式ハイエンドワークステーション


HP xw9400/CT Workstation

パーソナルシステムズ事業統括 ワークステーションビジネス本部、小島順本部長
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は1月30日、ハイエンドのパーソナルワークステーション「HP xw9400/CT Workstation」(以下、xw9400)を発表した。水冷システムを搭載し、高い静音性を実現した点が特徴。価格は58万8000円からで、2月8日より販売を開始する。

 今回発表された水冷式ワークステーションのxw9400は、同社製パーソナルワークステーションの最上位に位置付けられる製品。デュアルコアCPUを2基搭載し、高い処理性能を誇るとともに、CPUの冷却機構には、日立が開発した水冷装置を採用。大口径のファンを低速で回転させることにより、高負荷時でも、図書館並みという約26dBの静音性を実現した。

 CPUは、AMD未発表のOpteron 2220(2.8GHz)を2基搭載し、最大32GB(今春以降に64GBへ拡張予定)のメモリと、SAS接続では8台、SATA接続では6台のHDDを搭載できる。また、PCI Express x16スロットを2つ備え、複数のグラフィックスカードを接続して使うことで、より高速に描画できるようにする「SLi」技術にも対応した。OSはWindows Vista Business、Windows XP Professional、同 x64 Editionをプリインストールできることに加えて、Linuxバンドルモデルを用意。Windows Vista Businessの64ビット版にも、3月をめどに対応する予定としている。

 CTOに対応するため、構成はさまざま可能。一例として、Opteron 2220×2、4GB DDR2メモリ、80GB SATA HDD(7200rpm)、グラフィックスレス、DVD-ROMドライブ、Windows Vista Businessといった最小構成では、58万8000円から。

 また、Opteron 2220×2、32GBメモリ、80GB SATA HDD(7200rpm)、Quadro NVS 285(1128MB)、DVD-ROMドライブ、Windows XP Professional x64 Edition、といった構成では215万2500円から、となっている。

 日本HPが水冷式モデルを提供する背景には、欧米と異なりオフィスでの設置スペースが限られている日本ならではの、静音性に対する要望があるという。一般的なクライアントPCと比べて、ワークステーションは構成がリッチになるため、どうしても駆動音が大きくなりがち。そうした課題に対応するための解として、国内でも、すでにNECなどから水冷式ワークステーションが発売されている。パーソナルシステムズ事業統括 ワークステーションビジネス本部、小島順本部長は、先行製品との比較について「デュアルCPUを冷やせる能力があるのは、日立のシステムを採用した日本HPだけ」と述べ、高性能と低騒音を両立している点をアピールした。

 同社ではこれまで同様、大規模なCAEや、デジタルコンテンツ作成、石油・ガスの地層探査といった、ハイエンドワークステーションが必要とされる業務を中心に販売を行っていく考えである。


xw9400に搭載されている水冷ユニット 水冷の基本構造 空冷と水冷の熱解析比較


URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2007/fy07-037.html


( 石井 一志 )
2007/01/30 13:17

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